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( エコキュート )

2025/5/10 おすすめはどっち?エコキュートと電気温水器の9つの違いを徹底比較

「給湯器を交換したいけど、エコキュートと電気温水器、どちらが良いのだろう?」
「オール電化にしたいけれど、それぞれの違いがよくわからない…」

毎日使うお湯だからこそ、給湯器選びは慎重に行いたいですよね。エコキュートと電気温水器は、どちらも電気を使ってお湯を沸かす給湯器ですが、その仕組みやメリット・デメリットには大きな違いがあります。

この記事では、エコキュートと電気温水器の9つの違いを徹底比較し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。ご家庭の状況やライフスタイルに最適な給湯器を選ぶための参考にしてください。

 

■エコキュートとは?

エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用して空気の熱でお湯を沸かす、高効率な電気給湯器です。少ない電気エネルギーで効率よくお湯を作ることができるため、環境にも家計にも優しいのが大きな特徴です。

具体的には、屋外に設置したヒートポンプユニットが空気中の熱を集め、その熱を利用して冷媒(CO2)を圧縮し高温にします。この高温になった冷媒の熱を水に伝えてお湯を沸かし、貯湯タンクに貯めて使用します。

エコキュートのさらに詳しい仕組みやメリットについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

エコキュートとは?ヒートポンプでお湯を温める仕組みを詳しく解説

 

◎電気温水器とは?

電気温水器は、貯湯タンク内に設置された電気ヒーターでお湯を沸かし、貯めておくタイプの給湯器です。構造が比較的シンプルなため、本体価格がエコキュートに比べて安価な傾向にあります。

電気温水器には、主に「貯湯式」と「瞬間式(給湯専用)」の2つのタイプが存在します。

○貯湯式電気温水器:タンク内に水を貯め、電気ヒーターで加熱・保温します。キッチンやシャワーなど複数箇所で同時にお湯を使用する場合に適しています。

○瞬間式電気温水器:水道管の途中に設置し、水が通過する際に電気ヒーターで瞬間的に加熱します。主にキッチンや洗面台など、限られた場所での給湯に用いられ、貯湯タンクがないためコンパクトです。

 

■エコキュートと電気温水器の9つの違い

エコキュートと電気温水器は、どちらも電気でお湯を沸かす点は共通していますが、その具体的な仕組みや特性には多くの違いがあります。

ここでは、エコキュートと電気温水器の違いを、9つのポイントで比較していきます。

 

◎違い①:お湯を沸かす仕組みの違い

まず根本的に異なるのが、お湯を沸かす仕組みです。

お湯を沸かす仕組みについて、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
主に「ヒートポンプ技術」を利用します。屋外の空気の熱を熱交換器で集め、その熱を冷媒(自然冷媒であるCO2)に伝えます。そして、コンプレッサー(圧縮機)で冷媒を圧縮してさらに高温にし、その熱で水を温めてお湯を作ります。電気エネルギーは、主にヒートポンプのコンプレッサーを動かすために使用されます。少ない電気で多くの熱エネルギーを生み出せるため、非常に効率的です。

○電気温水器
タンク内に設置された「電気ヒーター」の熱を利用してお湯を沸かします。電気ポットや電気ケトルと同じような原理で、電気エネルギーを直接熱エネルギーに変換して水を加熱します。構造はシンプルですが、お湯を沸かすためには相応の電力が必要となります。

結論:この仕組みの違いが、後述する電気代や本体価格、設置スペースなど、様々な側面に影響してきます。

 

◎違い②:本体価格の違い(電気温水器のほうが安い)

給湯器を選ぶ上で非常に重要なのが、導入にかかる初期費用、つまり本体価格です。

本体価格について、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
高度なヒートポンプ技術を搭載しているため、一般的に電気温水器よりも本体価格は高めになる傾向があります。機種や機能、タンク容量によって価格は変動しますが、おおよそ20万円~35万程度が相場と言えるでしょう。工事費を含めるとさらに費用がかかります。

エコキュートの詳しい工事費込み価格や買い替え費用は、以下の記事をご覧ください。

エコキュートの工事費込み価格はいくら?新規設置・交換の費用相場

どこで買う?エコキュートの買い替え費用や交換時期、選び方を解説!

○電気温水器
構造が比較的シンプルなため、エコキュートと比較して本体価格は安価な場合が多いです。こちらも機種やタンク容量によりますが、10万円~25万円程度が目安となります。

結論:単純な本体価格だけを見ると電気温水器に軍配が上がりますが、エコキュートは後述する補助金の対象となる場合があるため、初期費用の差が縮まるケースもあります。

 

◎違い③:電気代の違い(エコキュートのほうが省エネ)

毎日使うお湯だからこそ、月々のランニングコストである電気代は非常に気になるところです。

電気代(ランニングコスト)について、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
ヒートポンプ技術により、投入した電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーを生み出すことができます(エネルギー消費効率 COP)。そのため、電気ヒーターのみで沸かす電気温水器と比較して、消費電力を大幅に抑えることが可能です。多くの電力会社が提供している割安な夜間電力プランを利用して夜間にお湯を沸き上げることで、さらに電気代を節約できます。一般的に、電気温水器と比較して電気代は1/3~1/4程度に抑えられると言われています。

○電気温水器
電気ヒーターで直接水を加熱するため、エコキュートと比較すると消費電力が大きくなります。エコキュート同様に夜間電力プランを利用することが一般的ですが、それでもお湯を沸かすためのエネルギー効率ではエコキュートに及びません。

結論:長期的な視点で見ると、エコキュートの方がランニングコストを大幅に削減できる可能性が高いと言えるでしょう。

エコキュートの電気代について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

【徹底解説】エコキュートの電気代は実際に高いの?電気代が高くなる原因と対処方法

 

◎違い④:寿命(耐用年数)の違い

給湯器は長く使うものですから、寿命や耐用年数も重要な比較ポイントです。

寿命(耐用年数)について、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
一般的に、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを合わせて10年~15年程度が寿命の目安とされています。ただし、設置環境や使用頻度、メンテナンス状況によって変動します。ヒートポンプユニットは構造が複雑なため、先に寿命を迎えるケースもあります。

○電気温水器
構造が比較的シンプルなため、エコキュートよりも若干寿命が長い傾向があると言われることもありますが、こちらも一般的には10年~15年程度が目安です。ただし、こちらも使用状況やメンテナンスによって左右されます。

結論:エコキュートも電気温水器も、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、より長く安心して使用することができます。ただし、エコキュートのヒートポンプユニットは、貯湯タンクより寿命が短い傾向にあるため注意しましょう。

なお、エコキュートの寿命について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

エコキュートの寿命は10~15年!耐用年数が近いサインや長持ちさせるためのコツ


 

◎違い⑤:補助金適用の違い(電気温水器は補助金が適用外)

高効率な給湯器の導入を促進するため、国や地方自治体によっては補助金制度が設けられている場合があります。

補助金適用について、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
省エネ性能が高いことから、国や自治体の補助金制度の対象となることが多いです。補助金を利用できれば、初期費用を大幅に抑えることが可能です。ただし、補助金制度は年度や時期によって内容が変更されたり、予算上限に達して終了したりすることがあるため、導入を検討する際には最新情報を必ず確認するようにしましょう。

○電気温水器
残念ながら、電気温水器はエコキュートのような省エネ性能に対する補助金の対象外となることがほとんどです。

結論:補助金を使用して初期費用を抑えたい場合は、エコキュートのほうがおすすめです。

エコキュートの補助金について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

2025年最新!エコキュートや給湯器の補助金「給湯省エネ2025事業」を徹底解説


 

◎違い⑥:災害時における有用性の違い

近年、地震や台風などの自然災害が頻発しており、万が一の備えとしての給湯器の役割も注目されています。

災害時における有用性について、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
貯湯タンクにお湯(または水)を貯めているため、断水時にはタンク内の水を生活用水として利用できるという大きなメリットがあります(飲用には適さない場合が多いため、各メーカーの取扱説明書を確認してください)。機種によっては、非常用取水栓から簡単に水を取り出せるようになっています。

○電気温水器(貯湯式)
エコキュートと同様に、貯湯タンク内の水を断水時の生活用水として利用できます。

結論:貯湯タンクを持つタイプの給湯器は、災害による断水時に貴重な水源となり得ます。ただし、瞬間式の電気温水器にはこのメリットはありません。

 

◎違い⑦:停電時の違い

災害時だけでなく、予期せぬ停電が発生した場合の対応も気になります。

停電時について、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
停電中は、ヒートポンプユニットが作動しないため、新たにお湯を沸かすことはできません。ただし、停電前に沸かしてタンクに貯めてあったお湯は、断水していなければ蛇口から使用することができます。復旧後は、機種によって時刻設定などがリセットされる場合があるので、確認が必要です。

○電気温水器(貯湯式)
エコキュートと同様に、停電中はお湯を沸かすことができませんが、タンク内に貯まっているお湯は使用可能です。

○電気温水器(瞬間式)
電気で瞬間的に水を加熱する仕組みのため、停電時はお湯を一切使用することができません。この点は大きなデメリットと言えるでしょう。

結論:エコキュート・電気温水器ともに、停電時は新たにお湯を沸かすことができません。ただし、貯湯式であれば既に沸かして貯めてあるお湯は使用することが可能です。

 

◎違い⑧:静音性の違い

給湯器の運転音も、特に住宅密集地などでは気になる要素の一つです。

静音性について、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
ヒートポンプユニットが稼働する際に、コンプレッサーやファンの運転音が発生します。音の大きさは機種や設置環境によって異なりますが、一般的にエアコンの室外機と同程度か、それよりも静かであると言われています。近年のモデルは静音設計が進んでおり、運転音はかなり抑えられています。

しかし、特に深夜に稼働することが多いため、寝室の近くや隣家との距離が近い場所への設置は、念のため注意が必要です。低周波音についても懸念されることがありましたが、こちらも対策が進んでいます。

○電気温水器
主に電気ヒーターでお湯を沸かすため、運転音は非常に静かです。沸き上げ中にかすかな音がする程度で、騒音の心配はほとんどありません。

結論:静音性を重視する場合は、電気温水器に分があると言えるかもしれません。ただし、エコキュートも設置場所を工夫することで、音の問題は軽減できます。

 

◎違い⑨:設置スペースの違い

エコキュートや電気温水器といった給湯器を設置するためには、一定のスペースが必要です。

設置スペースについて、エコキュートと電気温水器の違いを見ていきましょう。

○エコキュート
お湯を貯める「貯湯タンクユニット」に加えて、空気の熱を取り込む「ヒートポンプユニット」の2つを設置する必要があります。ヒートポンプユニットは屋外に設置され、貯湯タンクユニットもそれなりの大きさがあるため、電気温水器と比較すると広い設置スペースが求められます。薄型タイプやコンパクトタイプも登場していますが、ある程度のスペース確保は必須です。

○電気温水器(貯湯式)
基本的には「貯湯タンクユニット」のみの設置となります。エコキュートのヒートポンプユニット分のスペースが不要なため、比較的省スペースで設置できる場合があります。丸型だけでなく、角型や薄型など、設置場所に合わせて形状を選べる機種もあります。

○電気温水器(瞬間式)
貯湯タンクを持たないため、非常にコンパクトで、壁掛け設置などが可能です。設置スペースの制約が厳しい場合には有力な選択肢となります。

結論:省スペースでの設置を重要視するのであれば、電気温水器が有利と言えます。また、設置場所の広さや条件によって、選べる給湯器の種類が左右されることもあります。

 

■エコキュートと比較した電気温水器のメリット

ここまでエコキュートと電気温水器の違いを見てきましたが、改めて電気温水器のメリットを整理してみましょう。

◎本体価格が安い(ただし補助金を合わせると微妙)

電気温水器の最大のメリットの一つは、やはり本体価格の安さです。エコキュートに比べて構造がシンプルなため、初期導入費用を抑えたい場合には魅力的な選択肢となります。

ただし、前述の通り、エコキュートは補助金の対象となる場合があります。補助金額によっては、エコキュートの実質的な初期費用が電気温水器と大きく変わらない、あるいは逆転するケースも考えられます。そのため、単純な本体価格だけでなく、補助金制度の利用可否や、後述するランニングコストも含めて総合的に比較検討することが重要です。

◎エコキュートより設置スペースが確保しやすい

電気温水器、特に貯湯タンクのみを設置するタイプや、貯湯タンクを持たない瞬間式は、エコキュートに比べて設置に必要なスペースが少なくて済む傾向があります。

エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの2つを設置する必要があるため、ある程度の広さが必要になります。一方、電気温水器は、特にマンションのパイプスペース内など、限られた場所への設置にも対応しやすい機種があります。設置スペースに制約があるご家庭にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。

 

■エコキュートと比較した電気温水器のデメリット

一方で、電気温水器にはエコキュートと比較した場合のデメリットも存在します。

◎電気代(ランニングコスト)がエコキュートより高い

電気温水器の最大のデメリットは、エコキュートと比較して電気代が高くなる傾向があることです。電気ヒーターで直接水を加熱するため、ヒートポンプ技術を利用するエコキュートほどのエネルギー効率は期待できません。

深夜電力プランを利用しても、お湯を沸かすために消費する電力量が多いため、月々の電気代はエコキュートの数倍になることもあります。初期費用は安く抑えられても、長期的に見るとランニングコストの差が大きくなり、トータルコストではエコキュートの方がお得になるケースが多いと言われています。

◎瞬間式は停電時にお湯を使用できない

貯湯式の電気温水器であれば、停電時でもタンク内のお湯を使用できますが、瞬間式の電気温水器の場合は注意が必要です。瞬間式は、電気を使ってその場でお湯を作るため、停電してしまうとお湯を一切使用することができません。

災害時や予期せぬ停電のリスクを考えると、この点は大きなデメリットとなり得ます。ライフラインの確保という観点からは、貯湯機能を持つ給湯器の方が安心感があると言えるでしょう。

 

■電気温水器と比較したエコキュートのメリット

ここからは、これまで見てきた違いを踏まえ、改めて電気温水器と比較した場合のエコキュートの主なメリットを簡潔にまとめていきます。

エコキュートの最大の魅力は、やはりその高い省エネ性能と、それによる電気代の安さです。ヒートポンプ技術により、少ない電力で効率よくお湯を沸かすことができるため、月々のランニングコストを大幅に削減できます。また、CO2排出量も抑えられるため、環境負荷が低い点も大きなメリットと言えるでしょう。

さらに、国や自治体の補助金制度の対象となる場合が多いため、初期費用を抑えられる可能性もあります。また、災害時には貯湯タンクのお湯を生活用水として利用できる安心感も見逃せません。

エコキュートのメリットについては、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

エコキュートとは?ヒートポンプでお湯を温める仕組みを詳しく解説

 

■最終結論:総合的に考えるとエコキュートがおすすめ!

この記事では、エコキュートと電気温水器の9つの違いを中心に、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説してきました。どちらの給湯器にも特徴がありますが、総合的に考えると、多くの場合でエコキュートの方がおすすめできる選択と言えるでしょう。

確かに、電気温水器は本体価格の安さや設置スペースの柔軟性といったメリットがあります。しかし、日々の生活で使うお湯だからこそ、長期的な視点でのランニングコストは非常に重要です。エコキュートは、ヒートポンプ技術によって圧倒的に高い省エネ性能を誇り、月々の電気代を大幅に削減できます。この経済的なメリットは、長く使えば使うほど大きな差となって現れるでしょう。

また、環境意識が高まる現代において、CO2排出量が少なく環境負荷の低いエコキュートは、地球に優しい選択でもあります。さらに、国や自治体の補助金制度を活用できるケースが多く、初期費用を抑えられる可能性も高まります。災害時の断水時にもタンクのお湯を生活用水として利用できる安心感も、エコキュートが持つ大きな強みです。

もちろん、ご家庭の状況やライフスタイルによっては電気温水器が適している場合もございます。しかし、経済性、環境性、将来性、そして万が一の備えまで考慮すると、エコキュートの持つメリットは非常に大きいと言えます。

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