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( 給湯器 )

2025/5/15 ガス給湯器の寿命は約10年!交換したほうがいいサインや買い替え費用

■そもそもガス給湯器とは?

ガス給湯器とは、都市ガスやプロパンガス(LPガス)を燃料として水を瞬間的に加熱し、お湯を作り出す住宅設備機器です。

ガス給湯器の役割は主に以下の3つに大別されます。

  • ○給湯: キッチン、シャワー、洗面台などへお湯を供給します。
  • ○お風呂機能: 自動お湯はり、追い焚き、保温など、快適な入浴をサポートする機能です(機種によります)。
  • ○暖房機能: 床暖房や浴室暖房乾燥機などへ温水を供給する機能を持つ機種もあります。

このように、ガス給湯器は私たちの生活の質を大きく左右する重要な設備です。その仕組みやご家庭に合った号数(一度に出せるお湯の量を示す数値)、様々な種類について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

ガス給湯器とは?お湯を沸かす仕組みや電気・石油給湯器との違い

 

■ガス給湯器の寿命は10年程度が一般的

毎日活躍してくれるガス給湯器ですが、残念ながら永遠に使い続けられるわけではありません。一般的なガス給湯器の寿命は、およそ10年~15年程度と言われています。もちろん、使用頻度や設置環境、メンテナンス状況によって多少前後しますが、10年を一つの目安として覚えておくと良いでしょう。

なぜ10年が目安とされるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

 

◎メーカーが定める設計標準使用期間も10年

ガス給湯器のメーカーは、「設計標準使用期間」というものを定めています。これは、標準的な使用条件のもとで、安全上支障なく使用することができる期間の目安を示すものです。

多くの主要なガス給湯器メーカー(例:ノーリツ、リンナイ、パロマなど)では、この設計標準使用期間を「10年」としています。

これは、経年劣化による事故を未然に防ぐための大切な指標です。設計標準使用期間を過ぎたガス給湯器は、熱効率の低下や部品の劣化が進んでいる可能性があり、安全に使用するためには点検や交換を検討する時期と言えます。

出典:法定点検の対象機器と設計標準使用期間 | 製品に関する大切なお知らせ|ノーリツ

 

◎発売から10年で部品製造も終了してしまう

ガス給湯器が故障した場合、部品を交換して修理することになります。しかし、ガス給湯器の補修用性能部品(製品の機能を維持するために必要な部品)の保有期間は、その製品の製造打ち切り後、おおむね10年間とされています(メーカーや機種によって異なる場合があります)。

つまり、設置から10年以上経過したガス給湯器が故障した場合、交換用の部品がすでに入手できなくなっている可能性があります。

部品がなければ、たとえ軽微な故障であっても修理ができず、給湯器本体を丸ごと交換するしかありません。また、運良く部品が見つかったとしても、古い機種の部品は希少価値が高く、修理費用が高額になるケースも少なくありません。

「まだ動くから」と10年以上使い続けていると、いざという時に修理ができず、お湯が使えない不便な期間が長引いたり、想定外の出費に見舞われたりするリスクがあるのです。

 

■ガス給湯器の寿命が近い交換サイン8選

では、具体的にどのような症状が現れたら、ガス給湯器の寿命が近い、あるいは交換を検討すべきサインなのでしょうか。

ここでは、代表的な8つのサインをご紹介します。ご自宅の給湯器に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

①使用中に小さい爆発音のような異音がする

  • 症状: 給湯器のスイッチを入れたり、お湯を使い始めたりした際に、「ボンッ!」というような、こもった小さな爆発音や、以前よりも明らかに大きな着火音がする。
  • 原因: このような異音は、給湯器内部でガスと空気の混合バランスが適切でなくなっていたり、点火装置(イグナイター)が劣化してスムーズに着火できなかったりする場合に発生しやすいです。不安定な状態で無理に着火しようとするため、一時的に多めのガスに引火して異音が生じます。
  • 放置リスク: 初期は音だけで済むかもしれませんが、症状が進行すると着火不良を頻繁に起こすようになり、お湯が出なくなることがあります。また、不完全な着火は煤(すす)の発生を促し、熱交換器の効率を低下させたり、最悪の場合、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクを高めたりする可能性も否定できません。

 

②お湯がぬるい、温度調整ができない

  • 症状: リモコンで設定した温度のお湯が出てこない。お湯がぬるく感じる。シャワーの途中で急に水になったり、熱くなったりと温度が安定しない。
  • 原因: 給湯器内部には、お湯の温度を検知するセンサーや、ガス量、水量を制御して設定温度に調整する部品があります。これらのセンサーの故障や、水量制御部品・ガス比例弁の不具合、熱交換器の効率低下(汚れや詰まり)などが原因で、適切な温度調整ができなくなっている可能性があります。
  • 放置リスク: 快適な入浴やシャワーが望めなくなるだけでなく、症状が悪化すると全くお湯が出なくなることもあります。また、温度調整が効かない状態は、給湯器内部で異常な燃焼や過熱を引き起こす可能性も潜んでいます。

 

③追い焚きができない

  • 症状: お風呂の追い焚きボタンを押しても、なかなかお湯が温まらない。追い焚きに以前より格段に時間がかかるようになった。あるいは、全く追い焚き機能が作動しない。
  • 原因: 追い焚き機能は、浴槽内のお湯を給湯器へ循環させ、再加熱する仕組みです。この循環ポンプの故障や、熱交換器の追い焚き回路の不具合、温度センサーの異常などが考えられます。
  • 放置リスク: 追い焚きができないと、冬場など寒い時期には特に入浴が不便になります。また、追い焚き機能の不具合が、給湯器全体の他の部品の劣化を誘発している可能性も考えられます。

 

④使用中にガスの臭いがする

  • 症状: 給湯器の使用中や、給湯器の周辺(特に屋外設置の場合、本体の近く)で、都市ガスやプロパンガス特有の玉ねぎが腐ったような臭いがする。
  • 原因: これは非常に危険なサインであり、ガス漏れが発生している可能性が高いです。給湯器内部の部品の劣化や接続部の緩み、配管の腐食などが原因でガスが漏れ出していると考えられます。
  • 対処法と放置リスク: ただちに給湯器の使用を中止し、元栓(ガスメーターの近くや給湯器本体付近にあるガス栓)を閉めてください。その後、窓を開けて十分に換気を行い、火気は絶対に使用しないでください(換気扇や電灯のスイッチ操作も避けてください)。速やかにご契約のガス会社、または信頼できるガス機器専門業者(ライフテックサービスなど)に連絡し、点検を依頼してください。

 

⑤エラーコードが頻繁に表示される

  • 症状: 給湯器のリモコン(台所リモコンや浴室リモコン)に、数字やアルファベットのエラーコードが頻繁に表示されるようになった。以前は時々だったが、最近は毎日見るようになった。
  • 原因: エラーコードは、給湯器内部のセンサーが何らかの異常を検知したことを知らせるものです。例えば、「111」や「11」は点火不良、「140」や「14」は温度過昇防止装置の作動、「710」は燃焼制御回路の異常など、コードによって異常の内容はある程度特定できます(メーカーや機種により異なります)。一時的なエラーであれば、取扱説明書に従ってリセット操作を行うことで解消する場合もありますが、頻繁に表示される場合は、部品の故障や寿命が本格的に近づいているサインです。
  • 放置リスク: エラーコードを無視して使い続けると、症状が悪化して完全にお湯が使えなくなったり、安全装置が作動して給湯器がロックされたりすることがあります。また、重大なトラブルの前兆である可能性もあるため、同じエラーが繰り返し表示される場合は、自己判断せずに専門業者による点検を受けることが不可欠です。

 

⑥ガス給湯器から水漏れしている

  • 症状: ガス給湯器本体の下部や、接続されている配管のつなぎ目などから、ポタポタと水が漏れている。給湯器の周りの地面や壁が常に濡れている。
  • 原因: 給湯器内部の部品(熱交換器、水管、パッキンなど)の経年劣化による亀裂や破損、接続部のパッキンの硬化や緩み、あるいは冬場の凍結による配管の破裂などが主な原因です。
  • 放置リスク: 少量のにじみ程度だからと油断してはいけません。水漏れを放置すると、漏水箇所が徐々に拡大し、給湯器内部の他の電気部品を濡らしてショートさせたり、腐食を早めたりして、より大きな故障につながる可能性があります。また、マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、階下の住戸へ水漏れ被害を及ぼし、損害賠償問題に発展するケースも考えられます。発見次第、早急な対処が必要です。

 

⑦ガス給湯器から黒い煙がでている

  • 症状: 給湯器の排気口から、普段は見られない黒っぽい煙や、大量のすす(煤)が出ている。
  • 原因: これは不完全燃焼を起こしている可能性が非常に高く、極めて危険な状態です。給湯器内部のバーナー部分の詰まりや熱交換器のフィンにすすが大量に付着することで、酸素供給が不十分になり、ガスが正常に燃焼できなくなっている状態です。
  • 対処法と放置リスク: ただちに給湯器の使用を中止してください。その後、窓を開けて十分に換気を行い、速やかに専門業者に連絡して点検・修理を依頼してください。 不完全燃焼は、有毒な一酸化炭素(CO)を発生させます。一酸化炭素は無色無臭で気づきにくく、吸い込むと頭痛や吐き気を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもある非常に危険なガスです。絶対に使用を続けず、専門家の判断を仰いでください。

 

⑧ガス給湯器の表面がサビている

  • 症状: ガス給湯器本体の金属ケーシング(外装パネル)の表面に、広範囲にわたってサビが発生している。特に、雨水が当たりやすい場所や湿気の多い場所に設置されている場合に顕著に見られます。
  • 原因: 主に雨水や湿気による金属部分の腐食です。特に、給湯器の設置場所が海に近い場合は塩害でサビの進行が早まることもあります。
  • 放置リスク: 外装のサビは見た目の問題だけでなく、進行するとケーシングに穴が開き、そこから雨水などが内部に侵入しやすくなります。内部の精密な部品や電気系統が濡れると、故障の原因になったり、給湯器自体の寿命を著しく縮めたりする可能性があります。また、内部の熱交換器なども見えない部分で腐食が進んでいるサインかもしれません。サビが目立ってきたら、内部の状態も含めて一度専門業者に点検してもらうことをお勧めします。

 

これらのサインは、いわばガス給湯器からのSOSです。一つでも当てはまる症状があれば、あるいは複数の症状が複合的に現れている場合は、ガス給湯器の寿命が近づいているか、すでに何らかの重大なトラブルを抱えている可能性が高いと言えます。

安全かつ快適にお湯を使い続けるためにも、これらのサインを決して放置せず早めに信頼できる専門業者に点検を依頼し、必要であれば給湯器の交換を検討しましょう。

 

■ガス給湯器の交換・買い替え費用

ガス給湯器の寿命が近づいているサインが見られたり、故障してしまったりした場合、気になるのが交換・買い替えにかかる費用です。ここでは、主な交換パターン別の費用相場をご紹介します。

なお、費用は給湯器の種類(号数、機能、メーカーなど)や設置状況、工事内容によって変動するため、あくまで目安として参考にしてください。正確な費用は、必ず専門業者に見積もりを依頼して確認しましょう。

 

◎ガス給湯器からガス給湯器への交換費用

現在使用しているガス給湯器を、新しいガス給湯器に交換する場合の費用相場です。

○給湯専用(追い焚きなし): 約10万円~20万円程度
○オートタイプ(自動お湯はり・追い焚き): 約15万円~30万円程度
○フルオートタイプ(自動お湯はり・追い焚き・自動足し湯・自動配管洗浄など): 約20万円~40万円程度

上記の費用には、給湯器本体の価格と標準的な交換工事費が含まれることが一般的です。特殊な設置場所であったり、追加の配管工事が必要になったりする場合は、別途費用が発生することがあります。

 

◎ガス給湯器からエコジョーズへの交換費用

エコジョーズは、従来型のガス給湯器よりも熱効率が高く、ガスの使用量を抑えることができる省エネタイプのガス給湯器です。

○エコジョーズへの交換費用: 約18万円~45万円程度

エコジョーズは、本体価格が従来型よりも若干高めになる傾向がありますが、毎月のガス代を節約できるため、長期的に見るとお得になる場合があります。また、エコジョーズの設置には、ドレン排水のための配管工事が必要になることがあります。

エコジョーズの詳しいメリットや選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

エコジョーズとは?お湯を沸かす仕組みや号数、価格、デメリットを解説

 

◎ガス給湯器からエコキュートへの交換費用

エコキュートは、ガスではなく電気を利用し、空気の熱でお湯を沸かすヒートポンプ式の給湯器です。オール電化住宅にお住まいの方や、光熱費を抑えたい方に選ばれています。

○エコキュートへの交換費用: 約40万円~70万円程度

エコキュートは、本体価格が高額になるほか、ガス給湯器からの交換の場合、ガス管の撤去や電気配線工事、貯湯タンクの設置スペース確保などが必要になるため、工事費も比較的高くなる傾向があります。

エコキュートのメリット・デメリットや、ご家庭に合うかどうかの判断については、こちらの記事も参考にしてください。

エコキュートの工事費込み価格はいくら?新規設置・交換の費用相場

 

◎エコジョーズやエコキュートなら補助金適用も可能!

省エネ性能の高いエコジョーズやエコキュートを導入する場合、国や地方自治体が実施している補助金制度を利用できる可能性があります。

例えば、経済産業省が主導する「給湯省エネ2025事業」などでは、対象となる高性能な給湯器の導入に対して補助金が交付されます(2025年5月現在)。また、自治体によっては独自に補助金制度を設けている場合もあります。

これらの補助金制度は、申請期間や条件、予算上限などが定められているため、常に最新情報を確認することが重要です。補助金を活用できれば、初期費用を抑えてお得に高効率な給湯器を導入できるチャンスです。交換を検討する際には、利用できる補助金がないか、専門業者に相談してみましょう。

「給湯省エネ2025事業」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

2025年最新!エコキュートや給湯器の補助金「給湯省エネ2025事業」を徹底解説

 

■ガス給湯器の交換・買い替えならライフテックサービス

この記事では、ガス給湯器の一般的な寿命、寿命が近いことを示す8つのサイン、そして交換や買い替えにかかる費用について、詳しく解説してきました。毎日当たり前のように使っているお湯も、ガス給湯器という精密な機械が休むことなく働いてくれているおかげです。しかし、そのガス給湯器も、約10年という期間を目安に交換の時期を迎えます。

寿命が近いガス給湯器は、多くの場合で事前にさまざまなサインを出します。もしお使いのガス給湯器に、この記事でご紹介したような寿命を知らせるサインが出ている場合は、ガス給湯器の交換・買い替えをご検討することをおすすめいたします。

兵庫県内でガス給湯器の点検、修理、交換、または買い替えをご検討されているなら、ぜひ一度ライフテックサービスにご相談ください。ライフテックサービスでは、お客様が使用中のガス給湯器の点検から、必要に応じて最適なガス給湯器選び、確実な設置工事、アフターフォローまで責任を持って対応いたします。長年の実績と専門知識豊富なスタッフが、お客様の快適な暮らしをサポートします。

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上記のようなお悩みを抱えている方は、ぜひ一度「ライフテックサービス」までお気軽にご連絡ください。
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この記事を書いた人
ライフテックサービス広報スタッフ
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