2025/7/5 掃除しないとどうなる?エコキュートのメンテナンス方法や訪問点検費用
エコキュートは、日々の暮らしに欠かせないお湯を効率的に作り出す、家庭の強い味方です。しかし、便利な一方で定期的なメンテナンスを怠ると、思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。
「まだ動くから大丈夫」と思っていても、内部では汚れが蓄積し、性能が低下しているかもしれません。この記事では、エコキュートのメンテナンスをしないとどうなるのか、ご自身でできるメンテナンス方法、専門業者に依頼した場合の費用まで、詳しく解説していきます。
適切なメンテナンスで、エコキュートを長く、快適に、そして経済的に使い続けましょう。
エコキュートのメンテナンスや掃除をしないとどうなる?
エコキュートのメンテナンスは、なぜ必要なのでしょうか。掃除や点検を怠ることで、主に4つの大きなデメリットが生じる可能性があります。
エコキュートの内部が故障しやすくなる
エコキュートの寿命は、一般的に10年〜15年と言われています。しかし、これは定期的なメンテナンスを行っている場合の目安です。メンテナンスを全くしないと、貯湯タンク内に水垢や不純物が溜まり、配管の詰まりや部品の劣化を早めてしまいます。
結果として、熱効率が悪くなるだけでなく、ヒートポンプユニットや貯湯タンク内部の部品が故障しやすくなり、耐用年数よりも早く寿命を迎えてしまう可能性が高まります。急にお湯が使えなくなるといった事態を避けるためにも、定期的なケアが不可欠です。
お風呂のお湯にゴミが浮かんだりお湯が臭くなる
貯湯タンクや配管の内部は、水道水に含まれるミネラル分が固まった水垢や、湯垢、皮脂汚れなどが付着しやすい場所です。これらの汚れを放置すると、お湯を沸かすたびに汚れが剥がれ落ち、お風呂のお湯に混ざってしまいます。
「お湯を張ったら、黒や白のゴミのようなものが浮いていた」という経験はありませんか?それは、タンクや配管内部の汚れが原因かもしれません。さらに、汚れが細菌の温床となり、お湯から嫌な臭いが発生することもあります。清潔で快適なバスタイムを保つためにも、内部の洗浄が重要です。
逃し弁やストレーナーなどの消耗品が壊れやすくなる
エコキュートには、貯湯タンク内の圧力を調整する「逃し弁」や、水道水のゴミを取り除く「給水口ストレーナー(フィルター)」など、重要な役割を持つ消耗品がいくつかあります。
これらの部品の点検を怠ると、いざという時に正常に作動しない可能性があります。例えば、逃し弁が固着して作動しないとタンク内の圧力が高まりすぎて変形や破損につながる恐れがありますし、ストレーナーが詰まるとお湯の出が悪くなる原因になります。消耗品の劣化に早めに気づき、対処することが大きなトラブルを防ぐ鍵となります。
お湯をつくる際の電気代や水道代が高くなってしまう可能性も
メンテナンス不足は、家計にも影響を及ぼします。貯湯タンクや配管内部に水垢が溜まると、熱を伝える効率が著しく低下します。その結果、お湯を沸かすためにより多くの電力が必要になり、電気代が以前よりも高くなってしまうのです。
また、配管の接続部などから微小な水漏れが発生している場合、気づかないうちに水道代が無駄にかさんでいるケースもあります。省エネのためにエコキュートを導入したのに、メンテナンスを怠ったせいで光熱費が上がってしまっては本末転倒です。エネルギー効率を維持し、無駄なコストを抑えるためにも、定期的な点検と清掃が求められます。
自分でできる!エコキュートのメンテナンス方法10選
専門業者に依頼する大規模なメンテナンスだけでなく、ご家庭でできることもたくさんあります。ここでは、ご自身でできる10個のメンテナンス方法を、推奨される頻度とともにご紹介します。作業前には、必ずお使いのエコキュートの取扱説明書を確認してください。
①貯湯タンクの水抜き(半年に1回)
貯湯タンクの底には、水道水に含まれる不純物や水垢が沈殿しています。これを排出するために、半年に1回程度の水抜き(排水)作業を行いましょう。
【作業手順】
1.事前準備:感電防止のため、エコキュートの漏電遮断器を「切」にします。火傷防止に手袋を着用しましょう。
2.給水を止める:貯湯タンクユニットの給水専用止水栓を閉じます。
3.弁を開ける:タンク上部の逃し弁レバーを上げ、タンク下部にある排水栓を開きます。
4.排水:排水ホースからお湯(水)が排出されます。底に溜まった沈殿物が流れ出るように、1〜2分ほど排水を続けます。
5.復旧:排水栓を閉じ、給水専用止水栓を開けてタンクに水を溜めます。排水口から水が溢れてきたらタンクが満水になった合図です。
6.最終確認:逃し弁レバーを元に戻し、漏電遮断器を「入」にして完了です。
②貯湯タンク内部の掃除(月1回程度)
日常的なお手入れとして、タンク内部を清潔に保つ意識も大切です。前述の「貯湯タンクの水抜き」が内部の本格的な掃除にあたりますが、メーカーによってはより頻繁な排水を推奨している場合もあります。取扱説明書を確認し、推奨される頻度で底の汚れを排出する習慣をつけましょう。
③浴槽フィルターの掃除(月1回以上)
お風呂のお湯は、浴槽フィルター(循環口のフィルター)を通ってエコキュートと浴槽を行き来しています。このフィルターは髪の毛や皮脂汚れなどが詰まりやすいため、月に1回以上、できれば週に1回は掃除するのが理想です。
フィルターを浴槽から取り外し、古い歯ブラシなどで優しくこすり洗いしてください。汚れがひどい場合は、中性洗剤を使うと効果的です。
④追いだき配管の洗浄(半年に1回)
追いだき機能を使うと、配管内部にも皮脂や入浴剤の成分などが付着し、汚れが溜まっていきます。半年に1回は、市販の配管洗浄剤(「ジャバ」など)を使って洗浄しましょう。
【作業手順】
1.浴槽の循環口より10cmほど上までお湯(または水)を張ります。
2.規定量の洗浄剤を入れ、よく溶かします。
3.エコキュートの洗浄機能を運転させるか、追いだき運転をします。(メーカーにより操作が異なります)
4.洗浄が終わったらお湯をすべて抜き、再度お湯を張ってすすぎ運転を行います。
5.最後に浴槽をきれいに洗い流して完了です。
⑤給水口フィルターの掃除(半年に1回)
貯湯タンクへの給水口には、水道水に含まれるゴミや砂などをキャッチするストレーナー(フィルター)が付いています。ここが目詰まりすると、お湯の出が悪くなる原因になります。半年に1回を目安に掃除しましょう。
【作業手順】
1.貯湯タンクの水抜きと同様に、漏電遮断器を切り、給水止水栓を閉じます。
2.給水口ストレーナーを取り外し、歯ブラシなどで水洗いします。
3.ストレーナーを元に戻し、給水止水栓を開けて水漏れがないか確認後、漏電遮断器を入れます。
⑥漏電遮断器の動作確認(半年に1回)
万が一の漏電時に、自動で電気を止めてくれる安全装置が漏電遮断器です。正常に作動するか、半年に1回はテストしましょう。
貯湯タンクユニットのカバー内にある漏電遮断器の「テストボタン」を押します。電源スイッチが「切」側に倒れれば正常です。確認後は、必ずスイッチを「入」側に戻してください。
⑦逃し弁の動作確認(月1回)
貯湯タンク内の圧力が上がりすぎるのを防ぐのが逃し弁の役割です。この弁が固着していないか、月に1回程度確認します。
タンク上部にある逃し弁のカバーを開け、レバーを数回、手前に起こしたり下げたりします。お湯(水)が排水管から排出され、レバーを戻すと止まれば正常です。動作が硬い、水が止まらないといった場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。
⑧凍結防止ヒーターの確認(冬季の前)
寒冷地にお住まいの場合、冬場の凍結はエコキュートにとって大敵です。本格的な冬が来る前に、凍結防止ヒーターが正常に作動するか確認しておきましょう。
多くの機種では、外気温が一定以下になると自動でヒーターが作動します。また、配管に凍結防止用の保温材(断熱材)が巻かれていますが、これが破れたり剥がれたりしていないかも目視で確認し、必要であれば補修してください。
⑨水漏れの日常点検
普段からエコキュートの周りをチェックする習慣も大切です。貯湯タンクユニットやヒートポンプユニット(室外機)の配管接続部から水が漏れていないか、ユニットの周りが不自然に濡れていないかなどを日常的に確認しましょう。
早期に水漏れを発見できれば、水道代の無駄や大きな故障を防ぐことにつながります。
⑩リモコンの日常清掃
浴室やキッチンに設置されているリモコンも、意外と汚れています。乾いた布や、固く絞った布で表面の汚れを拭き取りましょう。
汚れがひどい場合は、台所用の中性洗剤を薄めて布に含ませ、固く絞ってから拭き取ります。洗剤を使った後は、必ずきれいな布で水拭きし、最後に乾拭きで仕上げてください。
エコキュートのメンテナンスを専門業者へ依頼した際の費用
ご自身でのメンテナンスには限界があります。内部の複雑な部品の点検や分解洗浄は、専門的な知識と技術が必要です。ここでは、専門業者に依頼するメンテナンスについて解説します。
専門業者へ依頼可能なエコキュートのメンテナンス内容
専門業者によるメンテナンスでは、個人では難しい以下のような点検や作業を行ってもらえます。
○貯湯タンクの分解洗浄:専用の機材や洗剤を使用した、より本格的なタンク内部の洗浄。
○配管の漏れ・劣化確認:接続部の緩みやパッキンの劣化などを詳細にチェック。
○電気系統の点検:端子の緩みや配線の被覆の劣化など、漏電や火災につながるリスクがないかを確認。
○ヒートポンプユニットの点検:内部のフィンやファン、冷媒ガスの圧力などをチェック。
○消耗品の点検・交換:逃し弁や減圧弁など、各種部品の動作確認と必要に応じた交換提案。
これらの専門的な点検を定期的に受けることで、エコキュートをより安全に、長期間使用することができます。
専門業者にエコキュートの訪問点検を依頼するといくら?
業者に定期点検を依頼した場合の費用相場は、10,000円〜20,000円程度です。
この料金には、出張費や基本的な点検作業費が含まれます。ただし、点検の結果、部品の交換や修理が必要になった場合は、別途部品代や追加の作業費が発生します。費用は業者やお住まいの地域、点検内容によって異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。
専門業者に訪問メンテナンスを依頼すべき頻度は?
専門業者による本格的なメンテナンスは、3年〜5年に1回が推奨されています。
エコキュートの設置から3年、5年、10年といった節目で点検を依頼するのが一般的です。特に、メーカーの保証期間が切れる前や、10年近く使用している場合は、一度プロの目で全体的にチェックしてもらうと安心です。
メンテナンスでエコキュートの寿命を伸ばそう!
エコキュートは、決して安い買い物ではありません。だからこそ、日々の簡単なお手入れと、数年に一度の専門的なメンテナンスを組み合わせることで、その寿命を最大限に延ばすことが重要です。
今回ご紹介したメンテナンスを実践することで、故障のリスクを減らし、無駄な光熱費を抑え、毎日気持ちよくお湯を使い続けることができるでしょう。
エコキュートの訪問メンテナンスなら「ライフテックサービス」
「自分でのメンテナンスは不安」「どこに頼めばいいかわからない」という方は、給湯器交換のプロである「ライフテックサービス」にご相談ください。
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エコキュートのことでお困りごとがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。